【エッセイ】レディーファーストに隠された意味
こんにちは。
福元こころです。
私がフランスへ留学した当初、とても驚いた事がありました。
それは、スーパーでの事。
とにかく、買い物カート(フランス語でchariot[シャリオ]と言います)が大きい!
大人でも、体育座りをすれば入れるくらいの大きさ!
そこに、山積みに積まれた食品や日用品・・・
ではなく!
お会計の時、男性が支払っている事が多かったのです。
ご夫婦やカップルで買い物するのは、日本でも同じ。
でも、日本だと、どちらかと言えば奥さんやお母さんがお会計しますよね。
スーパーだけでなく、カフェやレストランでも、
会計するのは男性。
子供の頃、家族と食事に行っても、
父が母に「払っといて」と言って、さっさとお店を出て行きました。
『フランスでは、男性が払うんだ』
言葉も文化も違う国に来たのだから、
そういうもんだと思っていたのです。
しかし、ある時、フランス人の友人に思い切って尋ねました。
「どうして、男性が払うの?」と。
すると、ちょっと恐ろしい答えが返ってきたのです。
それは・・・
フランスでは、男性の方が強い!男性の方がエライ!
そんな風習が昔からあるそうです。
各家庭によっても、ルールは様々ですが、
女性が本人名義で銀行口座を開けるようになったのも、つい最近だそうです。
女性がパートなどを始める際も、ご主人の承認が必要だったとか。
なので、男性が家庭の家計を管理するというのが一般的だとか!
(これにはちょっとびっくりしました)
つまり、男性が女性に優しくしてくれる、
いわゆる『レディーファースト』なる行為も、
実は、『自分の方が強いんだぞ!』という隠れたアピールなんです。
反対に言えば、女性は弱い者。守るべき者とも捉えられます。
勿論、そこに『愛』はあるわけで、
闇雲に『オレ様』アピールってわけではないのですが・・・
日本にも、亭主関白とか、男尊女卑とか、
いろんな言葉や風習がありますが・・・
欧米も、たいして変らない(笑)
女の私からすれば、優しくされて悪い気にはならないし、
どちらかと言えば、男性を尊敬したい方なので、
レディーファーストされた時は、相手の自尊心を損ねないよう、
弱いフリをしておきます(笑)
フランス語にも、実は現れています。
フランス語の名詞には、男性名詞、女性名詞があり、それぞれに『冠詞』がつきます。
フランス人ですら、時々、男性だったか女性だったか忘れしまうそうです。
そんな時はどうするか。
とりあえず『男性名詞』にしておけ!
こんなところでも、男性強し!なんです(笑)
もしもフランス人男性と、食事やお茶に行かれた場合は、
ぜひ、支払わせてあげて下さい!
割り勘は、お店の外に出てからこっそりと♪
ちなみに、カフェにしろ、レストランにしろ、
男性と一緒に入店しても、お店の店員は男性にしか声を掛けません。
決して、自分は無視された〜と落ち込まない様に。
フランスは、男性社会。
そうわきまえて。
では、また。
こころ